犬の白内障の治療法

犬の白内障の治療法
愛犬が白内障によって視野が損なわれている場合、従来、唯一の治療法は外科的に水晶体を摘出することでした。しかし最近になり、犬の白内障を目薬で治すという特許が米国で承認され、この手軽さと安全性の高さにより今後はこの特効目薬療法も急速に増えていく事が予想されます。

非加水分解カルノシン点眼薬による治療法

「非加水分解カルノシン点眼薬」は2010年9月に米国で、人間と犬類(犬、狐など)の両方の白内障に効果をもつ目薬が特許を承認されました。この目薬はロシアのマーク・バビザエフ博士により発明され、EUでは医薬品安全規格(CEマーク)を承認されており、5年前から流通している医薬品です。

人間の白内障治療は手術が基本であり安全性も高いものですが、犬の白内障治療法は手術しかなく、しかもその手術も前記のとおり安全性にも効果にも大きな期待はもてないものでした。

しかし「非加水分解カルノシン点眼薬」は犬の加齢により減少した体内にある天然の酸化防止剤カルノシンを補い、従来の目薬治療ではできなかった白内障の根本から治療する画期的な目薬です。

現在、犬用非加水分解カルノシン点眼薬は商品化され、インターネットを通じて入手することができます。
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手術による犬の白内障治療

白内障の治療で最も問題となるのは、手術によって犬の視力が回復するかどうかということです。この手術にはかなり高度な医療技術が必要で、手術の前には専門的な検査が必要となります。たとえば科学的に手術が適用かどうかを判定するには、「電気網膜図」や眼内用の超音波診断装置を参照すると役に立ちます。しかし、全国の動物病院でも、そのような器械を備えているのは少数です。眼の病気の診断や治療には、かなりの専門技術と医療機器が必要となりますから、どこまでの検査や治療ができるかをよく話し合った上で、動物病院を決定するとよいでしょう

愛犬の白内障に、手術が効くかどうかの判定法

犬が白内障にかかった場合、手術の効果があるかないかを簡単に判定できるすばらしいテクニックがアメリカで開発されましたので、方法をお教えしましょう。

もちろん完全に正しい評価ができるものではありませんが、誰にでも簡単にできる検査方法ですから、あなたの愛犬が手術をするかしないか迷っているときは、このテストを利用する価値は十分にあります。

これはアメリカのある眼科の専門医が、高価な医療器械を使用せずに、白内障の手術が適用になるかどうかを判定する目的で開発された技術です。まず犬を真っ暗な部屋に入れ、5分間待ちます。できるだけ小さめの部屋にし、飼い主もできれば犬と一緒に部屋に入ります。その際、フラッシュ付きのカメラを携帯してください。

そして、約5分くらい経過して暗いところに眼が慣れてきたら、犬の眼の約10センチくらい先からフラッシュをたきます。このとき犬がフラッシュに驚いてぴくっと動けば、その眼は手術すると見える可能性があると考えてください。これを左右両方の眼について行ないます。

もしこのテストで犬がぴくりともしなければ、その犬の眼の網膜は障害を受けていると思われるので、手術をしても効果がない場合が多いと考えてください。もし動物がこのテストに反応すれば、手術によって眼が見えるようになる可能性がありますので、できるだけ眼に詳しい動物病院で手術をしてもらうといいでしょう。

なお、眼の手術に関連して、最近はいろいろな方法が開発されています。たとえば、眼球内に眼内レンズを装着する方法があります。理論的には、眼内レンズの装着によって、術後の視力をより改善する可能性はあることになります。

しかし、装置が高価であるとともに、ある程度の熟練が必要になり、当然それだけ手術費が高額になることが難点でしょう。そのような理由から、あまり普及はしていないようです。

ところで、一般に眼の病気は単に眼だけが悪いのではなく、全身の健康状態が関係して起こることが多いので、過去の病歴を含め総合的に調べる必要があります。

また、手術を行なう場合は、手術によって視力を回復する可能性が何%くらいあるのか、あるいは予後はどうかなど、術前に飼い主と獣医師が十分に打ち合わせをする必要があるでしょう。

老齢性白内障はこのように手術が可能な場合もありますが、よく言われているほど手術効果が上がるわけではありません。通常、白内障が発症して半年以内であれば多くの場合は手術は可能となりますが、半年から1年以上経過している場合は、手術をしてもあまり効果はないようです。

一般論とすれば、早期でなければ手術をしてもうまくいかない場合が多いと言えますが、多少遅くても手術をすればうまくいくケースもあります。遅れると手術の効果が出ないのは、眼の網膜の部分が冒されていると手術をしても、眼の機能の回復ができないからです。