犬の白内障とは

犬の白内障とは
犬が視力を失う最大の原因は白内障で、特に老齢性のものです。8〜10歳以上になると老齢性白内障にかかる犬が増えてきます。特にプードル、ビーグル、コッカースパニエル、 ミニチュア・シュナイザー、柴犬、アフガン・ハウンドなどは白内障にかかりやすい犬種と言われています。
犬の白内障の種類 | 犬の白内障の症状

犬の白内障とは

犬の白内障とは
白内障には、初発の白内障、未熟な白内障、成熟の白内障、そして最後に過熟の白内障とさまざまな過程があります。当然、症状の進行した段階ほど、手術をしても効果が上がらないケースが多くなります。また、白内障は老齢性のものとそれ以外のものに分けることもできます。老齢性以外の白内障には、先天性の白内障(ゴールデン・レトリーバー、オールド・イングリッシュ・シープドッグ、ウエスト・ハイランド・ホワイトテリアなどに多い)、遺伝性の白内障、他の眼の病気から発症した続発性の白内障(たとえば緑内障、葡萄膜炎、水晶体の脱出など)、外傷によって起こる外傷性白内障、代謝性白内障などがあり ます。
犬の眼球解剖図 白内障の犬の眼
このうち最後の代謝性白内障は真性の糖尿病から続発して起こり、糖尿病性白内障と言われ、ときどき見られます。このような症例の場合は手術をしても糖尿病を治さなければ結果は変わりません。この糖尿病性白内障は通常進行が早く、白内障が成熟化します。ある程度の初期であれば、糖尿病による合併症の管理を行なうことにより、進行が止まることもあります。それには、犬をインシュリンでコントロールして、水晶体摘出手術をすることも重要です。

このように白内障にはいろいろな種類があり、治療の可能性の高いものから低いものまであります。なかでも最も治りやすいのは外傷性白内障です。この外傷性白内障は眼球への損傷が原因となり、水晶体が直接損傷を受けるか、または外傷の結果、葡萄膜炎を併発し、白内障が起こります。

葡萄膜炎から起こる白内障はなかなか治療が難しい場合があります。通常は抗炎症剤や点眼剤および散瞳剤などによる治療が必要となりますが、症状がひどい場合は水晶体の摘出手術が行なわれます。しかし、この手術を行なった場合の予後は、必ずしも良好とは限りません

<犬の白内障を取り巻く状況>
今までのところ回復の手段としては手術しかなく、また非常に危険性の高いものでした。水晶体の白濁が半分程度の段階までであれば、手術を行えば視力は回復しますが、白内障手術ができる施設と獣医はごく少数であるのが現状です。

そして犬は人間の場合と比べ水晶体が非常に大きいため、白内障手術の難易度が高まります。白内障を発症している犬は高齢のケースが多く、全身麻酔で行われる手術に耐える体力の有無も重要です。
さらに手術後の炎症反応も人間に比べて強いため、手術後に炎症を抑えるために点眼や投薬、犬が手術後の目を傷つけないように気を配る必要があるなど、飼い主の負担も大きいと言わざるをえません。 このような問題点から犬の白内障手術は一般的な治療法とはなっていないのが現状です。

しかし最近になり白内障点眼薬が米国で特許を承認されるなど、新たな治療方法も見つかりつつあります。
これは「非加水分解カルノシン」という水晶体のにごりに有用な物質を含んだ溶液を定期的に点眼する治療法です。10年以上の臨床試験を経て、人間はもちろん犬やうさぎにも効果があると認められました。効果が現れるとされる1ヵ月分で12,800円と目薬としては高価ですが、犬の安全を確保しつつ白内障治療にかかる費用も格段に抑えることができるメリットは大きいでしょう。

犬の白内障治療費一覧

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犬の白内障の症状

白内障はゆっくりと進行する病気であり、なおかつ犬は言葉が話せないので、飼い主がいち早く気がついてあげることが大切なポイントとなります。
白内障にかかると通常透明である目の水晶体(レンズに相当するもの)が徐々に白く濁っていきます。白濁が進むとともに視力がどんどん低下し、柱や壁によくぶつかるようになったり、ちょっとした物音にも異常に敏感に反応するようになり、日常の生活に支障を来たすようになります。白濁の度合いは人間の肉眼でもはっきりと見分けられますが、ほっておくと失明にまで至ります。

今までのところ回復の手段としては手術しかありませんでした。水晶体の白濁が半分程度の段階までであれば、手術を行えば視力は回復します。しかし特に老犬にとって手術は体の負担が大きくリスクを伴います。また、犬の白内障手術ができる施設と獣医さんが少数であることも問題点の一つといえます。